健康食品業界にまつわる裏事情と健康食品の上手な活用方法♪
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さて、今回は「食経験」についてお話ししたいと思います。消費者には、根強い天然物信仰があります。特に食品添加物には敏感で、化学合成の添加物が使用されていると一切買わないという方もいらっしゃいます。天然=善(安全)、合成=悪(危険)の図式です。しかし、安全か危険かは天然か合成かという単純な問題ではなく、十分な食経験があるかないかが重要なポイントです。

天然物にもたくさんの毒性物質があります。有名なところで言えば、フグ毒、トリカブト、ジャガイモの芽、青梅などがそうですが、数え上げればきりがありません。しかし、これらの毒性物質も長い食経験の中から、どのくらい食べれば、あるいはどの部分を食べれば毒なのかが明らかにされ、上手く食生活に取り入れられて来ました。

ふぐは肝臓や卵巣を食べない、トリカブトは弱毒化処理して漢方(附子<ブシ>)として利用、ジャガイモは芽を除く、青梅は熟してからあるいは梅干に加工して食べるなど、工夫すれば安全に食べることができます。

昔、大学院の学生だった頃、ネズミをつかって摂食実験をしていたことがありました。ある薬物を投与したときに期待されていた効果が出なかったので、毒性の出ないギリギリの量まで投与量をあげてやり直してみようと思いました。そこで、まずネズミでの致死量はどのくらいなのか調べていたときに、ふと人間ではどのくらいで死ぬのか興味が湧いて、ついでに調べたくなりました。しかし、すぐにはっと気がつきました。人間に対して死ぬ程の投与量を摂取させるような実験なんて倫理的に(刑法上も)できる訳ないのだからそんなデータは調べてもあるわけがありません。

そうです。人間にとって安全か安全でないかは、実験するわけには行きません。偶然に食べた先人たちの貴重な犠牲(=食経験)によってのみ、危険性が明らかにされてきたのです。天然物=安全なのではなく、天然物だから長年の食経験によって、言葉は悪いですが、自主的な人体実験がなされてきたから安全なのです。したがって、食経験の浅い食品はアマメシバ事件のようなことも起ります。

アマメシバ事件とは、東南アジア熱帯雨林に生えるトウダイグサ科常緑低木アマメシバによる食中毒事件です。平成15年に40代の女性がアマメシバの粉末加工品を1日4回、計8gを130日間にわたって摂取した結果、閉塞性気管支炎を起こして入院しました。原産地の東南アジアでは、事故もなく普通に食べられていました。なぜ現地では事故がなかったかというと・・




この続きは、拙著「健康食品考」に収録させていただきました。


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薬事法の第2回です。今回は、食薬区分についてお話します。健康食品が薬事法に違反していないか判断するために、原材料に医薬品に該当する成分が含まれていないかが問われます。なぜなら、医薬品は過剰量を摂取すると健康危害を発生する恐れがありますし、過剰量でなくても医薬品としての主作用や副作用が健康な人には害となることがあるからです。

一例を挙げますと、近年のヒット医薬品に勃起不全治療薬のバイアグラがあります。バイアグラの有効成分はシルデナフィルといいますが、元は、狭心症の治療薬として開発が進められていたものです。しかし、狭心症薬としての効果は弱かったのですが、陰茎の勃起を顕著に促進するという思わぬ副作用があることがわかり、副作用を主作用として申請して認められ、勃起不全の治療薬として成功しました。このシルデナフィルは、副作用として急激に血圧を低下させる作用もあり・・



今回から、薬事法について3回に分けて紹介させていただきます。薬事法の第1回目では、まず薬事法の概要についてお話します。

薬事法は、健康食品業界では、よくスピード違反にたとえられます。一度でもハンドルを握ったことのある方なら、検挙されるされないは別としてスピード違反をしたことがないと言い切れる人はまずいないのではないかと思います。実際問題、制限速度40km/hrの道路ならば、50km/hrぐらいのスピードでごく自然に車が流れているということをよく経験されるのではないかと思います。

健康食品についても話は同様です。厳密に言えばある健康食品がどのような効果が期待できるのか一切宣伝ならびに表示することが許されていないのですが、実態としては、効能効果を暗示させるような表現が日常的に見受けられます。線引きがとてもむずかしいのですが、ある程度の情報提供がなければ、消費者にとっても、自分にどの健康食品が合っているのか選択するための手段がなくなってしまいます。

ただし、販売業者が過度に効果効能を強調したために信じ込んでしまった消費者が、本来必要な治療を拒絶して手遅れになってしまうというようなことはあってはならないことです。ときどきこのような悲劇も耳にすることがありますが、何事も行き過ぎはよくありません。

病気をお持ちの方が、健康食品をお求めになる場合は・・




この続きは、拙著「健康食品考」に収録させていただきました。


東洋医学には「医食同源」(あるいは「薬食同源」)、「未病」という言葉があります。これらは、健康食品の役割を的確に説明する上で、とても優れた考え方であると思いますので紹介させていただきます。

「医食同源」というのは、日頃からバランスの取れた食事をとることで病気を予防し、治療しようとする考え方です。一方、「未病」は、まだ病気と言える状態ではないけれども体に何らかの異常を来たしているという状態です。つまり、自覚症状はないが検査では異常があるような状態を指していると考えられます。例えば、西洋医学でいうところの高脂血症などがこれにあたるのではないかと思います。

高脂血症は、ただ単に血液中のコレステロールや中性脂肪が通常より多い状態であるということだけで、頭が痛いとかお腹が痛いということはなく、本人に自覚症状は全くありません。しかし、長年高脂血症の状態を放置しておくと、動脈硬化になり、果ては心筋梗塞や脳卒中を引き起こす恐ろしい病気です。

さらに、東洋医学では、お薬を上薬(じょうやく)と下薬(げやく)に分類しています。まず、下薬というのは即効性のある薬ですが副作用も強く、長く飲むことのできない薬です。一方、上薬というのは効き目は穏やかですが、副作用がないので長期に亘って安心して飲める薬です。

現代西洋医学における医薬品はほとんどが下薬に分類されるものだと考えられます。例えば・・




この続きは、拙著「健康食品考」に収録させていただきました。


健康食品は本当に効くのかとよく聞かれますが、なかなか難しい問題です。そもそも健康食品の役割として、病気の治療よりも病気にならないような体作りであったりもするわけですが、予防効果を検証するのは結構難しいことなのです。しかし、何の証拠も無いのに効果を期待させて売りつけるというのは詐欺ではないかということになります。

一方、厚生労働省は薬事法をたてに取り、健康食品が病気に効くとか治るという表現を使わないよう強く指導しています。例えば、「糖尿病の方に向いている食品です」というような特定の病気に効果がある(かもしれない)ことを暗示することさえもいけないということになっています。唯一の例外が、特定保健用食品(トクホ)なのですが、これも医薬品ではないので治療効果を表現することも特定の病名を挙げることも許されてはいません。許されているのは、「血糖値の気になる方(=糖尿病の方を暗示)に適した食品」、「血圧の気になる方(=高血圧の方を暗示)に適した食品」というような靴の上から痒いところを掻くような表現までです。

そこで、健康食品業界では各健康食品素材の研究成果をメディアに流し、間接的にその食材が何に効くのか広報していくという手段がとられています(パブリシティと呼ばれる広告手段です)。つまり、新聞やテレビなどで研究成果を取り上げてもらい、○○に含まれている△△が××に効くなどと言ってもらえると、そういう食材から作られる特定の健康食品が何にいいのかというのが消費者に理解してもらえるということになる訳です。

しかし、注意をしなければいけないのが、それらの研究成果の証拠レベルがどれほどのものかということです。医学的な証拠のレベルには、大まかに言って3段階があります。一番基礎的なレベルとして、インビトロ(in vitro=試験管内での実験)、次にインビボ(in vivo=生体内での実験、動物実験)、そして最後にヒト試験(臨床試験)ということになります。

なぜ、最初からヒト試験をして効くか効かないのか白黒つけないのかというと、安全性の問題もありますが、何と言っても費用対効果の問題です。ヒト試験には高額な費用がかかります。効くか効かないか全くわからない素材にいきなり大金をはたく訳にはいきません。まずは、当たりをつけるために、もっともお金のかからないインビトロ実験から始めます。

インビトロの実験というのは、本来メカニズムを研究したりスクリーニング(=ふるいにかけること。⇒たくさんの素材の中から有用なものを選び出すことです)のために行われるものです。例えば、ある医薬品が血圧を下げる効果があったとすると、血管拡張する効果(血管が拡張すると血圧は下がります)があるのか、それとも血圧を上げるホルモンの働きを抑制するのかといったそれぞれの作用する場所で起る反応を試験管の中で再現して確かめるということをします。また、逆に血圧を下げる医薬品を開発しようとしたときに、いろんな素材を血圧を上げるホルモンの働きを抑制する実験モデルをつかって効果があるのかないのか、作用があるとするとどのくらいの強いのかということを調べておくと、たくさん素材の中から安いコストで最良の素材を選ぶことができるわけです。

ここで注意が必要なのですが、インビトロの実験成果は、実はほとんどが当てにならないということなのです。どういうことかと言いますと・・





この続きは、拙著「健康食品考」に収録させていただきました。



さて、第2回は好転反応についてお話します。この言葉は、健康食品業界で悪用されることが多いので、注意を要します。元は、東洋医学から由来する用語のようで、瞑眩(メンケン、メンゲン)反応とも呼ばれています。

どういうものかと言いますと、治療の初期の過程で起る一時的かつ一過性の不快症状の総称です。具体的には、眠気や倦怠感、発熱、下痢、便秘、嘔吐、吹き出物、発疹、目やに、尿の色の変化、病状や検査データの一時的な悪化などです。

東洋医学的には、これらの不快症状は治癒の過程で起る体の自然な反応であると考えられていて、むしろ治療が効いている証拠であると好意的に捉えられることが多いようです。好転反応として捉えられている一部の現象には、西洋医学的にも解釈が可能なものがあります。例えば、発熱ですが、風邪を引いたときに起る発熱は、風邪のウイルスが発熱させているのではなく、体の側が免疫細胞(白血球)を活性化してウィルスを退治するために体温を上昇させています。そこから類推すると・・




この続きは、拙著「健康食品考」に収録させていただきました。


はじめまして。ナカ モトヤです。

健康食品や美容食品を紹介する「健康食品カタログ」というサイトを運営しています。

今回、これまで20年近く康食品業界で活動してきた経験の中から消費者に役立つ(かも知れない)業界の裏事情などについて連載で紹介しようと思い立ち、姉妹サイトを立ち上げることにしました。

取り上げる話題は、今のところプラセボ効果、好転反応、インビトロとインビボ、薬事法、食薬区分、特定商取引法、アレルギーの衛生学仮説、アトピービジネス・・・などを考えておりますが、途中で変わるかもしれません。

また、旬の話題や皆様方のご意見も取り入れて行きたいと思っていますので、ご意見をお寄せいただければ幸いです。

第1回目目は、プラセボ効果についてお話しする予定です。

どうぞ、よろしくお願いします。
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