健康食品業界にまつわる裏事情と健康食品の上手な活用方法♪
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エコナ関連の話題が今もなおネット上で花盛りです。科学ライター松永和紀さんのブログ「松永和紀blog」でも活発な議論が交わされています。その議論の中で、「消費者団体がエコナに対するトクホ取り消し要求をしたのは、まるで食品にゼロリスクを求めているようなもので行き過ぎではないか」という考えを持つ方もいらっしゃるようでした。この意見に少し違和感を感じましたので、今一度、エコナ問題について考えてみたいと思います。

どのような食品であっても、過剰に摂取すると健康危害を引き起こす可能性があることは誰もが認めるところです。リスクの全くない(=ゼロリスク)食品は理想ではあっても現実にはありえないことです。もしも、食品にゼロリスクを課してしまうと口に入れるものが何もなくなってしまいます。行き過ぎた安全志向を揶揄する「ゼロリスク症候群」という言葉もあるようです。

しかし、その一方であまり声高に「ゼロリスクを求めることはけしからん!」と言ってしまうと、リスクの高いものよりも低いものを求める権利まで損なわれてしまうのではないかという懸念もあります。

当ブログでも、基準値以下の農薬で大騒ぎするのは馬鹿げていることや(「第17回残留農薬」)、無添加食品の欺瞞(「第29回食品添加物は悪なのか?」)について論じてきました。しかし、高いお金を払ってでも無農薬野菜や無添加食品を選びたいという個人の自由は守られるべきものだと思っています(個人的には、基準値よりもさらに低い低農薬野菜や根拠のない無添加食品を求めることは費用対効果から考えると余り意味のないことだと思っていますが・・・)。

エコナに話を戻すと、現時点でグリシドールをどのくらいまで摂取すると危険なのかはまだ明らかにされていません。また、エコナに含まれているグリシドール脂肪酸エステルの何%が実際に体内でグリシドールに変化するのかというデーターもないようです。しかし、だからこそ最悪の事態を想定し、評価が定まるまでは「疑わしきは使用せず」の態度でのぞむべきなのではないのでしょうか。

冒頭のトクホ取り消し要求を不当だと考える人達の批判は少しバランスを欠いているように感じられました。


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10月に入り、ぐっと気温も下がってきました。そろそろ、柿の実も熟す頃となりましたが、昔から「柿が赤くなると医者が青くなる」と言われてきました。今回は、医者も商売あがったりとなるほどの柿の効用について迫ってみたいと思います。

まず、柿の実が赤くなるのは、すでに当ブログ「第38回トマトが赤い理由」でも紹介しましたようにトマトと同様、カロテノイドの仲間リコペンによるものです(リコペンの効用については第38回をご覧ください)。

柿の栄養成分のもう一つの特長は、ビタミンCが豊富に含まれているということです。柿の果実にはレモンにも匹敵する程の多量のビタミンCが含まれています。また、柿の若葉にはさらにその10倍以上のビタミンCが含まれていると言われており、柿の葉茶はビタミンCのよい補給源として知られています。

柿といえば、強烈な渋みがあるのも特徴ですが、渋みはタンニンと呼ばれる成分が原因です。熟したり、干し柿にすると渋みがとれるのは、タンニンが渋みの感じられる水溶性タンニンから渋みの感じられない不溶性タンニンに変化するからです。この柿渋タンニンには防腐効果や撥水性があり、魚網などの耐久加工に用いられてきたという歴史がありました。近年の研究では、さらに血圧を下げる効果など様々な健康機能も持っていることが解明されつつあります。

また、柿の実は、昔から二日酔い防止によいといわれています。それは、悪酔い物質アセトアルデヒドに対するタンニンの解毒効果と、豊富なビタミンCによる肝臓の解毒機能促進効果によるものと考えられています。

その他、柿のヘタは漢方では「柿蔕 (シテイ)」と呼ばれていて、しゃっくり止めに効果があるとされています。

新型インフルエンザが各地で流行の気配を見せている中、柿の豊富なビタミンCはインフルエンザ予防の心強い味方になってくれるかも。ただし、柿の実には体を冷やす働きもあると言われていますので、食べ過ぎには気をつけましょう。

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エコナの問題で、そもそもトクホ(特定保健用食品)という制度が必要なのかという議論が巻き起こっています。今回は、トクホの必要性について考察してみたいと思います。

厚生労働省は昔から食品に薬効はないという立場であり、「健康食品」という言葉自体まで否定し、「いわゆる健康食品」という呼び方をするなど徹底的に忌み嫌っていました。そして、46通知によって健康食品が健康に関する機能を標榜することを厳重に規制してきました(参照:「第5回薬事法」など)。

一方、健康に不安を抱える人々には、副作用があるのではないかという薬に対する不信感や薬を飲むほどではないけれど何か体によいもの摂り入れたいという想いがあり、その結果、そのような消費者ニーズに応える形で「いわゆる健康食品」が市場に溢れるかえることになっていたのではなかと思います。

厚生労働省も消費者ニーズを完全に否定することはできず、ある程度の健康機能を標榜することの出来る制度として、トクホ制度を創設しました。

ところが、健康機能に対するハードルが高いので、一定の効能を発揮するような製品作りをしようとすると高度な加工を施すことになり、従来の食経験に裏打ちされた安全な食品から今回のエコナような安全性に疑問符のつくような製品に変貌して行ったのではないでしょうか。

効能を追い求めるほど限りなく医薬品に近づいて行き、その結果安全性の方が食品から離れていったという図式に見えてしまいます。つまり、安全性と薬効は表裏一体の関係にあるのではないかと思います。そう考えると、ローリスク・ローリターンの食品とハイリスク・ハイリターンの薬の間を埋めていたのが、ミドルリスク・ミドルリターンのトクホということであったようにも思います。

薬効の頼りない(健康)食品と安全性に不安のある医薬品の間を埋める選択肢として、トクホがあってもよいのではないかと思います。しかし、効能の審査基準を厳しくし過ぎると今回のようなエコナの問題も発生しますので、もう少し薬効評価に幅をもたせることが今後のトクホ制度の課題ではないかと思います。



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「第46回花王エコナの販売自粛」でエコナには、安全性に関して疑念がもたれてるというお話を紹介しましたが、花王の商品にはもう一つ安全性の懸念される商品があります。それは、高濃度カテキンを関与成分(医薬品でいうところの有効成分)とする「ヘルシア緑茶」です。今回は、高濃度カテキンに関する問題点についてお話したいと思います。

カテキンは緑茶に含まれている渋み成分ですが、血圧上昇抑制作用、血中脂質調節作用、血糖値調節作用、抗酸化作用、老化抑制作用、抗突然変異、抗癌、抗菌、抗う蝕、抗アレルギー作用など非常に多彩な働きの期待されているポリフェノール成分です。花王は、カテキンの血中脂質調節作用に着目し、「体脂肪の気になる方に適した食品」として特定保健用食品の許可を取得しています。

さて、問題の高濃度カテキンの安全性に対する疑念はカナダから上がってきています。2007年にカナダ保健省は、緑茶抽出物製品の摂取との関連が疑われる肝毒性の事例を公表しています。これは、因果関係は不明でも類似した被害事例が報告されやすくするため、積極的に公表しているものです(「健康食品」の安全性・有効性情報)。公表された事例は、42歳の女性が黄疸と腹部の不快を訴えて入院し、その後さらに症状が悪化して肝移植を受けたという内容です。女性は緑茶抽出物を含む製 品(カフェインは除き、カテキンを1カプセル中100㎎含有するもの)を1日6カプセル(カテキンとして600mg/日)、6ヶ月間摂取していました。 カテキンと肝障害の因果関係は、まだはっきりと特定はされていませんが、高濃度に濃縮されたものであったことから過剰摂取が問題であったか、あるいは、水アルコールで抽出しているために、通常は摂取しないような未知の物質が抽出・濃縮された可能性も指摘されています。この他にも、フランス・スペインでは1999年から2003年の間に13件の高濃度カテキンによる副作用事例が報告されていて、これらの国々では販売禁止となっています。(食ダネ

緑茶そのものは、古来より飲用されてきたという長い「食経験」もあり、安全と考えられてきた食品です。しかし、花王は効能を追求した結果、通常のお茶よりも数倍カテキン濃度の高い商品としてヘルシア緑茶を開発しています。濃縮されたものについては「食経験」による安全性を単純に当てはめてよいのかという議論もありますし、ヘルシア緑茶1本350ml当たりのカテキン含有量は540mgであり、カテキンの含有量としては、諸外国で問題となっている量に匹敵する含有量です。「第47回高脂血症薬は本当に必要か?」で述べたように、家族性高コレステロール血症でない方は血中の脂肪を下げても生存率に差がないとする学説を信用するとすれば、単なる過食によってメタボな方の場合は安全性に懸念のある商品を摂取する意義はないのかもしれません。

なお、ヘルシア緑茶は特定保健用食品の許可申請にあたり、一般的な安全性試験には合格しています(「健康食品」の安全性・有効性情:ヘルシア緑茶)。

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